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ここは戦場でございます。 攻めるにせよ、守るにせよ、人が死ぬものでございます。 楽しむにせよ、悲しむにせよ、人が死ぬものでございます。 喜ぶにしろ、怒るにしろ、人が死ぬものでございます。 故意にしろ、そのつもりがなくとも、いずれにしろ人が死ぬものでございます。 爆炎に巻き込まれて死ぬか、射撃兵器に機体ごと撃ち抜かれて死ぬか、あるいはレーザーブレードといったもので、骨すら残らずに蒸発してしまうか。機体から脱出したところを狙われて死ぬこともあるでしょう。 どのような死に方であれ、人は死ぬものでございます。 悔いなく満足に死ぬものもあれば、悔いて絶望し、人は死ぬものでございます。 なら、どのように致せば人が死なぬものでございましょうか? 殺さなければ死にません。 殺されなければ死にません。 ですが、死ななければ生きていると言えるものでございましょうか? 長々と彷徨ってきましたが、あたしは生き抜いたのではなく、ただ死ななかっただけでございましょう。 あたしゃ、生き抜いてきたわけではございません。全てから目を背け、耳をふさぎ、口を閉ざし、心を無くし、背を向けて逃げてきただけでございます。死ななかっただけであれば、それは生者と言える物でございましょうか? 動く屍と揶揄されても何も言えぬでしょう。 もはや、何も変わることもないような歳でございます。 ただの老兵でございます。ただ、かろうじて動くだけの物に過ぎません。 正に動く屍に過ぎぬのかもしれません。 しかし、攻めたにしろ、守ったにしろ、戦場で人が死ななくなるとなれば、あたしにとっては悪くない話でございますが、それは本当に戦場でございましょうか? ここは戦場でございます。 人は死ぬものでございます。 どのような戦いになろうと、それだけは忘れたくないものでございます。 何もかも忘れて、忘れようとして流れてきても、それだけは忘れたくないものでございます。 □ ここは戦場でございます。 あたしは高台の上に陣取って、愛機のレールキャノンを構えておりました。 時刻は黄昏時でございました。 MBT所属となってからというもの、なかなかに忙しい日々が続いております。アンドルーと呼ばれるのも慣れてきたものです。傭兵としては、飯の種に困りませんが、襲撃の度にMBTには少なからず死者が出ております。大抵はあたしよりも若い者が死んでおります。そうとはいえ、あたしのような年の傭兵が、未だに戦場を彷徨っていることがおかしな話かもしれません。 パトリオット・チャリオットとジェノサイドジェニーはMT等を引き連れて、さらに前衛に出撃しております。さらに、別方面からせめて来ているMT部隊は今回だけ雇った傭兵達が迎撃しているようでございます。あたしはJNとともに戦場のやや後方におりました。 バッドカルマが、ショットガンでACを撃ち抜いて、一瞬だけ動きを止めました。そこに、あたしがレールキャノンを撃ち込むと、ヘッドパーツが吹き飛んでコアの内部を破壊したようでございます。また一機仕留めたまででございます。 『……クリア。アンドルー、あんたは……おっと』 なにか言いかけながら、JNと名乗る傭兵はその機体を反転させて破壊された大型砲台の後ろへと回り込みました。そこには、何十発という小さな榴弾が降り注いできました。 『ったく、モテてモテて辛いぜ』 「色男でございますな」 『はは、違いない』 JNは短く笑い声をあげました。 「では、そちらの淑女方は、如何でございますかな? 」 『アクセサリーは少なく、化粧っ気がないぜ。ブランドものにも興味がないようで、それでいて仕事熱心で倹約家とくれば、男は手間がかからないだろうさ」 「良妻賢母でございますかな? 」 「いや、頭は少しばかり弱いかもな。だが、ヒートハウザーで榴弾の雨なんて降らされると、こいつが厄介だな。少し片付けてくれんか? 流石に身動きがとれん』 「わかりました」 あたしはレールキャノンを向け直しました。何機もの暗い赤にカラーリングされた二脚ACがヒートハウザーをバッドカルマに向けて撃っております。ブリーフィングで聞いた話によりますと、バンガードやらのUNACであるそうでございます。それが、ヘリから十数機と降りてきて、マザーを攻めてきております。 一番前に出てきたUNACに標準をあわせて、タイミングよく引き金を引きました。チャージングの光に輝くレールキャノンから弾丸が撃ちだされました。軌跡を描きながら、今度はヒートハウザーを撃ち抜いてコアに当たりました。ですが、コアの正面となれば、耐久性は高く、動きを止めるまでには至りません。 矢張り、長距離狙撃には対応仕切れていない点を見ると、オペレーションカスタムそのものの質が低いのでしょうな。それとも一機一機の質よりも、ある程度の連携行動に重点が置かれているのでしょうか。もう少しばかり観察しませんと、そこまでは推察しきませんかな。 『当たったか? 』 「ええ。ですが、仕留めておりません」 『そうか。全く、相手が木偶人形じゃ挨拶もできんぜ。殺すわけにはならんから、気は楽だがな。それはそうと、マザーの反対側の若い連中は? 』 「一機が陽動し、もう一機が狙撃して仕留めているそうでございます。あちらはACが来ておりませんから、問題ないでしょうな」 『そうか。はは、死ぬのは年寄りの仕事だが、苦労まで背負い込まなくても良かったか 』 「どうでございましょうね。いずれにしろ、来れば撃てばよいだけでございますので」 『違いない。何をするのも結局飯の種だ。っと、前衛に出て行った二人もいまのところは、問題なしのようだ』 あの二人の腕を考えれば、それは間違いないことでございましょう。そして、さらにレールキャノンを撃ちだすと、今度は別のACの足に当たりました。左足が千切れ、移動手段を失ったACはその場にとどまって、ヒートハウザーの攻撃を止めることはありません。コアを狙ったのですが、あたしの腕ではこんなものでしょうな。 『今度は? 』 「動きを止めただけでございます。あの位置なら見えませんか? 」 『どれどれ、おう。足やりやがったか。それじゃあ、こっちも許可が出たんでね、今度はこっちの砲台をこっちのタイミングで撃ってくれ』 「砲台でございますか? 」 『ああ。何も隠れているだけじゃない。パトリオット・チャリオットの小僧に許可をもらっていた。修理できるかもしれないと、渋い顔されたがな。少しばかり、派手な花火さ』 「判りました」 『俺の尻の穴をふやすんじゃねーぞ? スナイパー』 「それはどうでしょうかね。ふふ、あたしは狙撃手というわけでもありませんので。ただの臆病者でございます。向こうの若いのが乗った四脚のほうが本分は狙撃手でございますので」 レールキャノンも前の戦闘で拾った物を修理して使っているだけでございます。拠点防衛なら狙撃できる代物が使えるだろうと判断して使っているだけでございますし、レールキャノンにこだわりがあるわけでもございません。正直、銃器は引き金を引いて、弾が出ればなんだろうと構いません。良い兵器であれば勝てるわけではございません。かといって、ジャンク品なら勝てるわけでもございませんが。単に、物資不足の状況でも戦い続けてきましたら、あまり強いこだわりを持ちすぎると柔軟な対応ができなくなることに気がつき、なんでも使えれば使うようになっただけでございます。 レールキャノンを砲台とバッドカルマに向けて構え、チャージングを開始しました。 『何だと? 』 「ブレードを装備している時点で、察してほしいものなんですがね」 『 おいおい、真剣に狙えよ。俺のチャーミングなヒップに惑わされるなよ? 掘られる趣味はねーんだぞ』 「あたしも、掘る趣味はありません。チャージング終了。いつでもいけます」 『おし。カウントするぜ』 3。 まだ、バッドカルマに動きはありません。 ただ、砲台の周りにはACの群れがライフルも撃ちだしながらヒートハウザーの雨を降らしてきております。それは、どこか甘い砂糖菓子に群がる蟻のようでございます。 2。 バッドカルマは、両手の銃を構えてから、砲台にブーストチャージを仕掛けました。 1。 ACの一機がとうとう砲台に張り付きました。 0。 撃てと短い合図を受けて、バッドカルマがハイブーストによって大きく左に飛びました。バッドカルマが飛ぶ前に砲弾は撃っております。砲弾は装甲の外れた砲台の内部へと吸い込まれるように当たりました。狙撃が本分では無いとはいえ、止まった物に当てる程度は問題ありません。 レールキャノンの弾丸は砲台ごと残っていた弾薬を撃ち抜いたようで、砲台は吹き飛んで、炎と装甲の破片がバンガードのACを巻き込んで行きます。炎に巻き込まれ、ACが黒こげになっていきます。破片に撃ち抜かれ、吹き飛んでいき、機能を停止していきます。 画一的な挙動に対応しているとはいえ、やはり、こういったイレギュラーには対応し切れていない点を見ますと、大量運用前提型とはいえ、質が低すぎるようにも思えます。バンガードとやらは、最近になってUNACを運用しだしたと言うことでございますので、運用のノウハウには欠けているのでございましょうか。あの程度の動きであれば、尻の青い新兵でも詰め込んでおいた方が、幾分かはましかもしれませぬ。 爆風から逃れたACにバッドカルマがブースチャージを仕掛け、吹き飛んだACが動きが緩慢となった別のACに突き当たって、二機はまとめて火花が散り、炎に包まれました。 ひとまずは、これほどACが破壊されたというのに、人が死んではおりません。 いかなる戦場であっても、人が死なぬ日などありませんでした。 ですが、最近は、UNACが主戦力として導入され、何の気兼ねも躊躇いもなくACを破壊できるようになりました。 これは幸か不幸か。 否、そのうちに、傭兵なんてものどころか、兵士すら不要となるかもしれません。 であれば、あたし達の飯の種すら無くなると言うことでございましょう。 最も、そんな日が来るまで、生き延びるとも思えませんが。 いえ、生きているのではなく、ただ、死にきれなかっただけでございましょうな。 さらなるレールキャノンの一撃が、一機のACをとらえ、さらにそこにバッドカルマがブーストチャージによって、大きくコアを変形させながらヘッドパーツを吹き飛ばしました。 『ふぅ。骨が折れる。だが、あらかた片付いたか? 』 「仕事終わりの一杯と行きたいところですが、少々早いようでございます」 高台の上で陣取っていたあたしには、空高くやってくるその姿が見えました。全く同じ構成のUNACが吊られたヘリが見えました。さらに後方のヘリには、コマンダーと呼ばれるバンガード標準機の一機の姿が見えました。 『マジかよ。荷が重いな。バンガードやらは、年寄りを虐めるのが好きなんだかな? 』 「あたしに言われてもしょうがないんですがね。どうやら、指揮官の性根は悪そうでございますな」 あたしは、レールキャノンの砲身を折りたたませて、機体を立ち上がらせました。左右の細い腕が持ち上がり、背負われたアーム部分が一対のブレードを取り出して、ブレードが装備されます。 「いい加減に、拙い狙撃をするのも飽きましたので、試し切りときますかね」 『おう。そろそろ、こっちばっかりに前衛やらせて楽するなよ? こっちこいよ、もってもてのハーレムが楽しいぜ? 天国が見えそうだ』 「あたしゃ、とうの昔に枯れているようなもんですがね。ふふ」 グライドブーストを起動し、愛機を駆けさせていきます。 □ ここは戦場でございます。 すでに何機ものUNACを破壊しておりました。 バッドカルマがブーストチャージを仕掛けたUNACが吹き飛んで、それはこちら側に合流したテンペストのオートキャノンに撃ち抜かれていきました。 さらに、巻き込まれるのから回避しようとしたUNACに飛びかかりました。ブースターと跳躍によって瞬時に加速し、右のブレードを大きく降ってコアが両断しました。コックピットは、ただの空席となっておりました。 「レーザーブレードとは少々勝手が違いますが、コツはわかってきましたね」 一人、そう呟きますと、バッドカルマのショットガンがACのヘッドパーツを吹き飛ばし、さらに上からあたしが両腕を切り落としました。回避をとろうとしたところで、さらにこちらに合流したジェノサイドジェニーがブーストチャージを仕掛け、機体はマザーの足とハチェット・ジョブが構えるシールドに挟まれてコアが潰れました。 『本当に数だけそろえて、こっちを落とせると思っているのか。はっ! 』 ジェノサイドジェニーの頼もしい言葉を聞きながら、あたしは大きく振りかぶって、フェイントを入れると、UNACが逃れていきますが、そこをちょうどよくバッドカルマが蹴りを入れてさらに、一機潰れました。 数だけは多いのですが、やはり先行してきたUNACと同様に、あまりにも拙いとしか言えません。最早、その単調な動きは見抜くことができ、少しばかりのフェイントを入れて行くだけで、面白いように予想通りの動きを見せていきます。経験の浅い兵士も、これほどわかりやすく動くことはありません。 木偶人形を斬るとは、随分と手応えのないものでございます。 こうして、斬っても殺さぬことになると全く手応えという物が感じ取られません。あたし自身は、殺し合いを望んでいるのでございましょうか。相手を殺すことを望んでいると。 いえ、最早、そのような気持ちすら捨ててしまったのでしょうな。 残るUNACは2機、その2機はテンペストへととりついておりますが。至近距離からのオートキャノンによって確実に損傷を受けております。 さらに残る敵には、コマンダーと呼ばれるバンガードの重量逆関節ACおりました。大きく跳躍し、頭上からライフルを撃ちだしてきております。 『甘っちょろいな。メイプルシロップたっぷりのハニートーストぐらいに甘いぜ? そんな腕なら、そろそろ引いたらどうだい? いい加減に分も悪いだろ? 』 『戯れ言を! 』 JNがライフル弾を回避しながら、敵パイロットに通信を入れております。どんな方かも存じませんが、威勢は良く、声の調子から見て若い方でしょうか。あのコマンダーとやらのACは、その名の通りに指揮官用ということですので、若くして指揮官となれば、優秀な方なのかもしれません。とはいえ、すでに引き際を見失った頭でございます、本当に戦いができるとも思えません。 『出来の悪い人形を、数だけは引き連れて来た程度で、こんなマザーを堕とそうとするのは巫山戯ていないのかい? あっちの人形も、あの小僧とおっかない女が次期に仕留める。機体も命も捨てろというのがバンガードか? やれやれ、そんな場所に雇われなくて良かったよ。雇われていたら、こんな馬鹿でかい代物を落としてこいなんて無茶言われているところだ』 『黙れと言っている! 』 コマンダーが着地したところで、バッドカルマからショットガンから散弾が浴びされました。大きな衝撃力によって動きを止めたところで、あたしは急接近し、両手のブレードを同時に振り下ろしました。武器を狙ったつもりでしたが、やや深く踏み込み過ぎて、コマンダーの両手首ごと切断されました。何の対応もできない隙が生じたところを、軽く蹴りを入れますとコマンダーは後方へと飛んでいきます。ワンテンポ遅れて体勢を立て直しながら、右肩の射出機構のカバーがせり上がり、ロケット弾が飛んできます。軸を見極め、横へと回避行動をとると、一発のロケット弾がアームをかすめていきます。 コマンダーは、後方へと飛びながらさらにロケット弾を撃っていきます。 バッドカルマがライフルを撃ち、やや距離の離れたコマンダーへとけん制を仕掛けました。 あたしは、ブレードを仕舞い込みます。武器腕のこの武装展開の時間は、どうしても隙が生じやすく、この点については一度再考しておくべきかもしれません。 コマンダーはロケット弾の射程範囲よりも離れていくと背を向けました。 『撃つか? 』 JDからの通信が聞こえます。照準に捕らえたコマンダーはグラインドブーストを起動し、大きく光を噴出しながら逃れていきます。ハンガー武器が残っていようと、両腕がなければ、ACの戦闘能力は半減以下というものでございます。 撤退は当然としても、状況としては遅い判断でございます。 『撃とうにも、弾切れでございました』 コマンダーは瓦礫の陰に隠れ、見えなくなりました。レールキャノンを折りたたみ、機体の射撃体勢をキャンセルさせました。 『斥候班から連絡、敵勢力の警戒ラインからの撤退を確認。引き続き警戒行動をとる』 最後のUNACを撃破したパトリオット・チャリオットからの連絡が入りました。 『やれやれ、もう戻ってこないことを祈るね』 これで、今日の仕事は仕舞いでしょう。半端な戦力ですぐさまに再襲撃するとも考えづらい物でございます。 しかしながら、長丁場となったわりには、さほど手応えのない仕事でございました。 今日は、一人も殺しておりません。珍しいことでございます。 そして、あたしゃ、生き延びてしましました。 □ ここは戦場でございました。 今は日は暮れて、夜でございます。空気は乾いておりまして、気温も随分と下がって、空気は冷たくなってきております。戦いの疲れが体に現れ、冷たさがその痛みを刺すように感じ取られ、歳というものを実感いたします。ですが、戦いのあとに、その過程の全てを思い起こすには寒空の下の方が静かで、落ち着けるものでございます。 マザーのデッキから見える眼下には、あちこちで防御機構の修理のために照明がつけられており、重機や電気工具の騒音が響いてきております。あたしらのような傭兵の仕事は終わりましたが、整備工の仕事はこれからでございます。またいつバンガードの侵攻があるかわかったものではございません。とはいっても、ここを落としたところで、拡大した前線を維持できるかどうかの問題もございますが。傭兵が、そういった勢力規模の出来事を考えることもないでしょうか。負けても生きていれば、ただ次へと流れていくだけでございましょう。あたしのような傭兵にとっては、負け戦も珍しいものではございませんが。 カンテラは小さな明かりで周りを照らしておりまして、傍らのラジオからは、ノイズ混じりに、なにやら若い女性司会者が話をしながらスティーブンなんとかやらの曲を流しております。こういった音楽を楽しむことができるだけ、この領域というのは余裕はあるのでございましょうか。食べるものもなく、休む暇もない弱小勢力に雇われた時には、何の余裕もございませんでした。 軍用ガスコンロにポットを火にかけられておりまして、あたしは、中に入ったインスタントコーヒーをマグカップへと注ぎました。そこにお砂糖を少々入れまして、ラム酒も少しばかり注ぎます。 苦く、甘く、熱い液体が、喉を通り越していきます。コーヒーとラムの入り交じった香りも鼻を抜けていきます。アルコールが体の中に染みこんでいきます。飲んだ分は、戦いの疲れが染み出していくようにも感じ取られます。体が火照り、顔に当たる冷たい風が心地よいものでございます。 もう少しばかりのリキュールやクリームがあれば、洒落たカクテルになるものでございますが、贅沢も何も、あたしはそこまでのものを望んでいるわけでもございません。最早、体が温まってアルコールが入っていれば、文句もありはしません。 仕事の後の一杯だけは昔から続けております。とはいっても、さほど飲む方でもございませんし、最近は、年のせいかさらに飲めないようになってきましたが。 この仕事の後の一杯ですが、あたしは、あとどれだけの仕事の一杯が残されている物でございましょうか。 戦って、失って、逃げて、忘れて、また戦ってを繰り返してきました。 よく仕事で組んでいた傭兵の名は忘れました。 死んだのかどうかさえも、はっきりと覚えておりません。 戦いを教え込んだルーキーの顔は忘れました。 危うい生き方の結末は覚えておりません。 幾度と戦った好敵手の声は忘れました。 決着がついたかどうかも覚えておりません。 何度かあたしを運んだヘリパイロットの口癖は忘れました。 最後に会ったのはいつだったのかも覚えておりません。 あたしは、臆病者でございます。 恐れがあれば、逃げて、忘れてきました。 忘れられぬ物があったとしても、人は忘れようとすれば、忘れられるのでしょう。 戦いたいために戦ってきたのではなく、全てを忘れたいがために戦ってきました。 全てを忘れようと戦い、偶然にも、何かつながりを得て、結局は失ってしまい、それを忘れるために、忘れてきました。 気がつけば、もう、このような歳でございます。任務を終える度に体の節々が痛み出し、敵も味方も依頼主も、殺した者も、死んだ者も自分よりも年若い者達だっただろうと黄昏れるばかりでございます。いずれ、戦うことすら出来なくなるのも目に見えております。 今日も生き延びてしまったではなく、死にきれなかっただけでございましょうか。 幾ばくかの後悔をやや温くなってきたコーヒーと一緒に飲み込みます。 マグカップの中身が無くなり、二杯目のコーヒーを注ぎ、今度はラム酒だけを一杯目の半分だけそそいでおりすますと、マザーの中から足音が聞こえてきました。 「あーったく、何がマザーのシャワー室が使えるようになっただ。水しかでてこねぇ」 薄汚れたタオルを頭に乗せたJNが悪態を付きながら歩いてきました。最近はなにやら『マザー』内部の施設も幾らかは修繕し、MBTの者達が使っております。 もっとも、マザーそのものが本来は兵器であることを考えれば、マザーそのものを要塞として使うようになるのでしょうか。できることといえば、流通している砲台を設置する程度でございましょうが。本来の姿であれば、どれほどまでの戦力となっていたことか。AC程度では落とせぬほどの代物であることでしょうが、それもまた見ることなど叶わぬことでしょう。 「それは災難でしたな」 「天使がいないと湯すら浴びられないと来たか。俺の業も深まっているのかね」 そう言いながら、JNはあたしの向かいに座りこみました。 「で、誰とも乾杯せずに、こんな場所で寂しく飲んでいるのか? 詰め所にでも行けば、ジェニーとパトリオットあたりが飲んでいるだろうに。シーナちゃんが何か暖かいもんでも作ってるかもしれんぞ」 「あまり騒げるほどの余力もございませんでしたので」 「そうかい。ちょっともらうぞ」 と開いていたマグカップをとり、砂糖は入れずにラム酒をコーヒーにドボドボと注いでいかれます。あたしはヤカンを手にとって、JNのカップへとコーヒーを注いでいきます。 「おっと、どうも。さて、今日の襲撃だが、どう思う? 」 「あたしのような老いぼれに聞いたところで、何もではしませんがね。第一、こちらの情勢にもよくわかっておりません。バンガードやらも、ただの飯の種に過ぎません」 ヤカンにインスタントコーヒーとボトルに入った水を注ぎ入れながら、応えました。タワーも無いところで何をもめているかも知りませんが、傭兵にとってはただの飯の種でございます。 「そうかい。そのバンガードだが、UNACを運用しだしたのはつい最近のようでね。そうなると、今日の襲撃はUNACの試用といったところじゃないかと睨んでいる。物量作戦型といっても、流石にあの動きは無いだろう? 」 「そうでございましょうね。連携はとれているように思えましたが、単に一つの標的に群がっていくだけでございましょう。集団による各個撃破であれば格好がつきましたがね」 「だろう? 」 「その話は、パトリオット・チャリオットには? 」 「もうした、渋い顔してたな。もう少しはましな性能になっていれば、被害がこんなもんで済む訳がない。次くるときは、その程度には調整がされているかもしれないな。ジェノサイドジェニーは、何が来たって潰すって頼もしいこと言ってたが、相変わらずおっかねえぇ女だ」 「そうでございましょうね」 一度前の襲撃では、今日よりも敵機の数は少なかったのですが、あたしは愛機を大きく破損しております。前よりも多くの数をさばいたというのに、眼前にはデッキに鎮座する愛機がおりますが、損傷は随分とおさえられました。とはいえ、今日の襲撃でも、歩兵やMT操縦士に死者は出ております。対してバンガード側はUNACを大量に失っただけで、死者はほとんど出ていませんでしょう。としても、どの陣営から見ても、あのような無謀な運用をするものでございましょうか。それとも、これほどの余力があるというアピールでございましょうか。 「そうなると、試用でも、あれだけの数の機体を使い捨てにできるほどの規模ということでございますか」 「そうらしいな。おかげでこっちは、ジャンク品の山が手に入った。あれのパーツでいいなら、当分は修理は困らないな。さて、何年か前に、クーデターがあったらしい。そのときにできたのがバンガードだそうだ。そのおまけに、この領域で各地の勢力に分かれて群雄割拠の紛争だとさ」 「革命がおきたとは小耳に挟んでおりましたが、どこも変わりませんな」 「ああ、俺もあっちこっち歩いてきたが、どこも同じだ。UNACなんて代物が出てきたが、当分は俺たちの飯の種は無くなりそうにない。先はわからん。戦争なんて全部人形がやるようになるかもな。そんな戦争なんてシャンパンのないパーティーみたいなもんで、する意味あるのかわからんがな」 そして、JNはコーヒーをすすろうとして、何かに気がついたのか小さくマグカップを掲げました。あたしも小さく持ち上げました。単なる小さな乾杯でございます。 しかし、UNACや他の無人機が全ての戦争を行い出すなら、兵士は不要となるのでしょう。人も死ななくなるかもしれません。人が決して死ぬことがない戦場が生まれ出すのでございましょう。 「冷えるときっは、やっぱり、燃料いれるのが一番だな。水まで浴びて凍えちまった」 「冷えるなら、このような場所まで来られる必要もありませんよ。老いぼれが燃料入りのコーヒー飲んでいるだけでございます」 「それだがな。人形の話はついでで、単に、兵士が乗っていた機体が撤退したときのことだ。弾切れっていうのは嘘だろ? 」 JNがこちらを水に、コーヒーの水面を覗き込むように視線を落としております。 「さて、どうでしたかね」 「ふーん。別に、責めるわけでない。俺も、要らん殺しはしたくない。ただ、殺すだけなら獣さ。そもそも、第二陣で指揮官が前に出てきたときは舌打ちしたほどさ。ただのUNAC試用で、戦果を求めて前に出てくるなってな。結果は見えていたし、両腕を破壊されてからようやくあきらめて撤退しだしたのも遅すぎる。名前も知らないが、あれはただの無謀ってもんだ。だから、あんたがバックスタブとばかりに構えたときは、少しばかり不満があったが……結局は撃たずじまいだろう? 」 そこまで言って、JNはコーヒーを一口すすりました。 「それに、弾薬だけ補給したそうだが、整備の連中は残弾があったと言っている。そもそも、弾切れの代物なんて置いていけばいいものを、わざわざ背負ってくるとも思えん。あんたが、そんな馬鹿するほど耄碌しても居ないだろう? 」 「はて。そういえば残りがあったかもしれませんな。なにぶん、この歳ですので、些細な間違いはあるものでございましょう」 「案外に、食えないじいさんだな。責めているわけでもないのに、何を渋っている? 無闇な殺しをしたくないのは同じかと思ったんだがな」 確かに、無闇な殺生は好まぬところでございます。ですが、JNとは少々勝手が異なりますかな。 「では、一つ聞きましょうか。あなたさんは何故、無闇に殺さないのです? 通信で語りかけていたのは挑発ではなく、あきらめさせて退かせようとしていたように見受けられますが? 」 「まぁな。死ぬのは年寄りの仕事だと思っている。ただ、まぁ、それだけだ。それに、無闇に殺し回ってばかりじゃ、最後には敵しかいなくなる。無敵のヒーローなら負けないが、あいにく、俺は天使が逃げちまったんでね」 「左様でございますか。あたしは、そんな大層なものではございません。あたしゃ、ただの臆病者でございます。いくら言葉を重ねようと、臆病者でございます。本当に退くまでは向かってきていると見ます。そぶり程度では信じられません。向かってくるなら斬る、退くなら追わない。それだけでございます」 そう、そんな臆病者が幾年も戦い続け、死にきれなかっただけでございます。 「そうか。ある意味、シンプルだよな。向かってくるなら『敵』。逃げるならそうじゃないか。一度でも引き金を引けば、敵を作らないなんて無理なのはわかっているが、それでも、ただ殺して、恨まれて、首が回らなくなるわけにもいかなくてね。いるだろ? そういう駆け引き」 「左様でございますか」 これは何事にも言えることでございますが、傭兵は立ち回りがうまくなければ飯にありつけぬものでございます。死ねば、ただの無駄死になるだけでございます。恨みや義憤を晴らすためならば、傭兵などにはならない方がよろしいでしょう。あたし達は、雇われて戦うだけでございます。正義もその都度に変わります。 「ま、それでも、弾がなかったなんて、いらん言い訳はいらんだろうよ」 「そこに戻りますか。そうですな、こちらで決めますか? JNが当たれば言いましょう。当たらなければ、コーヒーを飲んで仕舞いでございます」 とあたしは、道具が一式入っている工具箱から、一枚の古ぼけたコインを取り出しました。表には天使、裏には悪魔が描かれております。硬貨ではなさそうでございますが、どこで拾ったのかも忘れた代物でございます。もしかすると、なにかのゲームコインかもしれませぬが、何かもわからない代物でございます。よくわからない言うなら、あたしも似たようなものでございますが。 カンテラの明かりで照らし両面をJNへと見せ、握った拳の親指へと乗せました。 「当然、悪魔だ」 「では」 そう言いまして、あたしゃ、親指でコインを跳ね上げました。乾いて高い音が響いて、コインは暗闇へと吸い込まれるように飛んでいき、そのまま落ちてくる音などしませんでした。デッキの下へと落ちていったでしょう。 「……おい」 「おやおや、手元が狂ったようでございます。飲み過ぎましたかな? どちらかなのかもわかりませんね。当たりませんでしたので、コーヒーを飲んで仕舞いでございます」 「態とだろ? だからって、詐欺じゃねぇか。どっちが出たかもわからないから、当たらなかった? とんだ詭弁だ」 「まともに勝負したら、運のないあたしが負けますんで」 「俺にも運はないさ。たく、やっぱり天使なんていやしねぇ。ここにも居るわけなかったか。見つけたら教えてくれ、投網でも使って生け捕りにしてやるからよ」 とJNはコーヒーを一気に飲み干されて、立ち上がりました。 「今度の仕事の後の一杯は、俺がおごらせてもらう。あとな、JNじゃない。本当は、ジャイ・イェンだ。ま、昔、そう呼ばれていたのを思い出して名乗ったら、聞き間違えられてな」 「そうでございましたか。酒の席での話でございますが、覚えておきましょうか」 「そういえば、あんたは? あんたの名前も、借り物だってきいたが? 」 「さて、アンドルーと名乗らせていただいておりますが、元は何と名乗っていたのかも忘れました。どこの戦場に落としてきたのかも覚えがありません」 「そうか。やっぱり、案外に、くえねぇじいさんだ」 「ふふ」 そして、JN。いえ、ジャイ・イェンは寒い寒いとぼやきながら、マザーの中へと入っていきました。残りのコーヒーをマグカップに入れ、今度は何もいれぬまま口につけました。ガスコンロの火も落としました。今も、マザーの眼下では復旧作業が続いております。次の襲撃に備えてのことでございます。次の襲撃では、当然、あたしも戦うでしょう。 戦い初めて、戦い続けて、今度こそは戦い終わるかもしれません。 生き延びるために戦い続けたわけではなく、全てを忘れようと戦い続け、全てを忘れたままに命を閉ざしてしまいたいと願って戦い続けておりました。もはや、戦場に望むは勝利でも報酬でも感傷でもなく、ただ、自らの死だけでございましょう。戦場に足を踏み入れ、戦場で生き抜いてきたのだから、戦場で終わりたいと、ただ、そう願っております。殺されるなら人が乗った機体などと贅沢も願いません。心通わず、魂のない人形ですら構いません。 ですが、近いうちには、思うように動かなくなりつつ体では、もしかすると、それすらも叶わぬ願いかもしれません。欲したものは、全て例外なく失ってきましたので、その願いすら、あたしには叶わぬのかもしれません。何とも因果なものでございましょうか。人は、望む故に叶わぬものなのでございましょうか。 ここは戦場でございます。 人が死ぬものでございます。 あたしは、そう信じて戦ってきました。 それだけは忘れぬように戦ってきました。 ですが、そう信じている人間が、なかなか死なないのは、不思議なものでございます。 死すらない戦場に、あたしは何を求めていくのでございましょうか。 翌朝、何気なくマザーの足下を歩いておりますと、何かきらりと光るものがございまして、何かと思って眺めてみますと、悪魔が空を眺めておりました。 fin. 登場人物 アンドルー JN パトリオット・チャリオット ジェノサイドジェニー 投稿者:ug 登録タグ:ug 小説 読み切り
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ヒートジュエル - ヒートジュエルマスカラ 370 :メイク魂ななしさん 2009/02/13(金) 21 56 45 ID Pmd0bkSNO ケイトのロングジェル試したけど、思ったよりはカール持続したし伸びもなかなかだった リニューアル前?のは塗ったらすぐカールが落ちたから最初カール力はあまり期待してなかった 他に試してみて良かったのはヒートジュエル 乾きが早くてカール力あるし、長さもボリュームも出る ブラシも先端が細くて塗りやすいけど、もっと小さくて細ければ良かった だから今度はどっちにするか迷ってる ケイトの方が安く買えるけど 438 :メイク魂ななしさん 2009/02/26(木) 15 08 10 ID tYaGGBH00 ヒートジュエルの新しいマスカラ、私には最近の中で1番だったよ。 1度塗りではさほど付かないけど、 すぐ乾くからそれを土台に重ね塗りしていくとどんどん伸びる! ねっとり系の液体。 艶アリの黒。でも漆黒じゃないけど。 ボリューム1:ロング2って感じ。ややロングに比重が偏る感じ。 カール力はイマイチでした。 ここ数年フィルムのみ使っているけど 良かったのは「ミーイン」ってマスカラのボリュームタイプと フィッツコーポレーションの「ドラマティックボリュームマスカラ」。 あとはオペラのマイラッシュ(液体が濃くなる中盤辺りが神) ここで話題のリンメルも気になっていたので買ってみます。
https://w.atwiki.jp/acvcb/
ACVCB@ウィキへようこそ このサイトは管理者が妄想したロボカスタマイズアクションゲームに関するページです。 タイトルからは分かりにくいですがV系列ACとCBを組み合わせたような内容となっています。 編集不可。更新は気まぐれで迷走しがち。 【対応ハード】未定 【発売日】未定 【価格】未定 【ジャンル】ロボカスタマイズアクション 【プレイ人数】未定 【CERO年齢区分】未定 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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オーガスタスホバートハムデン(オーガスタス・ホバート=ハムデン) オーガスタスエドワードホバートハムデンの別名。
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デッドヒート! 読み:でっどひーと! カテゴリー:Event 作品:FORTUNE ARTERIAL 【使用】〔自分の手札1枚を控え室に置く〕 Main ターン終了時まで、目標の自分の OS:オーガスト のキャラ1体は攻撃力が1上昇し、『貫通』を得る。その後、このカードをバックヤードに置く。そのキャラが参加しているバトル終了時、そのキャラを【裏】にする。 現在先頭は2組の千堂瑛里華! illust:オーガスト AU-117 C SC 収録:エクストラパック 「OS:オーガスト1.00」
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熱の銃撃手 【ライダー名】 仮面ライダーW ヒートトリガー 【読み方】 かめんらいだーだぶる ひーととりがー 【変身者】 左翔太郎&フィリップ 【ソウルサイド】 ヒートメモリ 【ボディサイド】 トリガーメモリ 【スペック】 パンチ力:3tキック力:4tジャンプ力:ひと跳び45m走力:100mを8秒 【フォームチェンジ】 仮面ライダーW サイクロンジョーカー仮面ライダーW サイクロンメタル仮面ライダーW サイクロントリガー仮面ライダーW ヒートメタル仮面ライダーW ヒートジョーカー仮面ライダーW ルナトリガー仮面ライダーW ルナジョーカー仮面ライダーW ルナメタル 【強化フォーム】 仮面ライダーW ファングジョーカー 【最強フォーム】 仮面ライダーW サイクロンジョーカーエクストリーム仮面ライダーW サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム 【声/俳優】 桐山漣 菅田将暉 【スーツ】 高岩成二 【登場作品】 仮面ライダーW(2009年) 【初登場話】 第6話「少女…A/嘘の代償」 【詳細】 ヒートメモリとトリガーメモリを組み合わせたダブルの派生形態(意味は高熱の銃撃手、熱の銃撃手、炎の銃撃手などがある)。 「トリガーマグナム」の銃弾へ「高熱」の要素を付加すると、ダブルのフォームの中でも最強の攻撃力を発揮できる。 だが、高出力のメモリ同士の組み合わせではあるが、一歩間違えれば力のコントロールが効かなくなることもあるので、取り扱いには注意が必要となる。 氷の力など、熱に弱い相手へ最も高い性能を発揮。 必殺技はトリガーメモリをトリガーマグナムのメモリスロットへ挿入し発動する「トリガーエクスプロージョン」。 マグナムの銃口から強力な熱光線を発射し、相手を焼き尽くす。 2本のメモリを用いる「ツインマキシマム」を発動させると、熱光線ではなく大きな火炎エネルギー弾を発射できる。 劇中では1度しか使わない。 決して、フォームの名称は「ヒートリガー」ではない。
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ヒートギズモ1枚 火山 最浅 10F(未達成) 最優良 ざわめく獣32(未達成) ざわめく大地38(未達成) 呪われし大地の巣Lv52@6A みどりご 12F敵無し判定。種ブラ短Base139 オンリーコンプ
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230 : ◆CvdBdYFR7. :2009/10/08(木) 11 02 11.65 ID i+2LyABL0 【ダウト・タイム】 人は人を疑い、疑いは疑いを呼ぶ。 私が軽音部に入部してから久しい。 昨年末、私は海沿いを北上していく一人旅に出かけた。 この奇妙な話はそこから始まる。 この年末はみんなそれぞれの事情で忙しいらしく、私達軽音部は冬休み完全オフということに決まった。 私は特にすることも無かったので、ふと旅に出てみようと思った。 出発はクリスマスの朝、12月25日だ。 大きめのリュックサックに旅の小物を詰められるだけ詰め込みながら、クリスマスイブを過ごした。 日付が変わった頃、最近はめっぽう見なかった雪がふと降り始めた。 私はちらりほらりちと降りゆく雪に旅の安全を祈った。 朝目が覚めると雪はやんでいた。 窓を開けると一面銀世界という言葉の意味が少し分かった気がした。 成程これは確かに一面銀世界だ、と。 親は田舎に帰っており、家には私一人しかいない。 戸締りを確認し、私は寒くないようにしっかりと着込んだ格好で玄関のドアを開けた。 寒い空気が顔をぴしゃりと撫でつける。 私は思わず顔をしかめた。 だが、駅に向かって歩いているうちにそれも気にならなくなった。 習うより慣れろとは言ったものである。 231 : ◆CvdBdYFR7. :2009/10/08(木) 11 11 09.21 ID i+2LyABL0 いつもの見慣れた駅に着くと、私は切符を買った。 海を見たかったので、とりあえず海辺の駅まで行くことにした。 電車に乗るまでホームの端っこのベンチにこしかける。 鳩が可愛らしくそこかしらに歩いている。 手の届きそうな場所に近づいてきたので、私は思わず手を伸ばした。 だが、鳩はすぐさま危険を察知し、パタパタという音も立てずに飛び去った。 「ひゃう」 突然のことだったので思わず声を上げてしまった。 幸いにもホームの端には誰もおらず、恥をかくことは無かった。 ほっと心を撫でおろしていると、電車が来たようでアナウンスが掛かった。 『2番ホームに電車が参ります』 私は耳につけていたヘッドホンの位置がずれていないか確認し、電車に乗った。 電車の中はがらがらで、席にもすぐに座ることが出来た。 窓の外を見ながら、私はぼうっと考える。 ――――どこに行こうか。 ヘッドホンから流れてくるお気に入りの洋楽のお気に入りのフレーズを口ずさみながら、私はうとうとし始めていた。 何しろ電車の中は温かい。 それまで寒い外を歩いていたのだ、ほんのりとした温かさでうとうとしてしまうのもしょうがないだろう。 だが、窓の外の景色に海が現れると、私の消え入りそうな意識は再び現実に呼び戻された。 冬の海は何と言えばいいだろうか。それこそ綺麗なものではない。 だがその曇り空の下に見せる荒々しさは私の興味をそそった。 海辺の駅で電車から降りた。 再び冷たい空気が私を包み込む。 駅から出ると、すぐ目の前は海だった。 果てしなく広がる水平線。 それに吸い込まれるかのように私は海に向かって歩き続けていた。 少し歩けば誰もいない閑散とした浜辺に出くわす。 近くにあった流木に腰をおろして一息つく。 [続く]
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MOMOさんから頂いた投稿記事を御紹介します。 MOMOです。 ヒートシンク作成の投稿をさせて頂きます。 カスタマックス3台の写真は装着例です。 私は、3台ともパワーダッシュモーターを積んでいまして、発熱がすごいので制作しました。 成果としましては、走らせているとヒートシンクまでかなり熱くなりますが、走らせるのをやめるとモーター本体の熱がすぐに冷めますので、走行中にもかなりの効果があると思います。 私がチョイスしましたのでは、PCのメモリー用12フィンヒートシンクです。 PCショップで、8個入り700円くらいでした。 作るのはいたってかんたんです。 用意する道具は、百均半丸ダイヤモンドヤスリ、ミニルーターで簡単に短時間で仕上がります。 モーターカバーとヒートシンクの写真ですが、上段のヒートシンクは加工前で、左から、ハマー8T、ランクル10T、 インプレッサ10T用です。 ハマー、ランクル用は、12枚あるフィンの両端をフィンだけ切り取り、モーターカバーへの引っかかり部分を作り、あとは現品合わせになりますが、フィンの部分だけモーターカバーから出る用にガタが出ないように切り抜き削り合わせます。(ハマーカバー・ランクルカバー・インプレッサカバー) モーターカバーの切り抜きが終わったら、モータカンに合わせてヒートシンク裏側を曲面に削り込みますが、モーターとヒートシンクに隙間が出来ないように何度も装着しながら削り込みをやった方がいいと思います。 モーターとヒートシンクに隙間が出来ると熱伝導しませんのでヒートシンクの役目をしなくなりますので。 8Tと10Tの違いですが、8Tは、ヒートシンク裏側をモーターカンに合わせて軽く曲面加工するだけでモーターカバーが装着出来ると思います。10Tの場合はぎりぎりまで薄く曲面に削ってあります。 個体差があると思いますのですべて現物合わせです。 モーターカバーを装着するときにあまりキツイとモーターカバー側のシャシーに引っかかる部分が破損してしまいますので注意してください。 あと、オンロード用ヒートシンクですが、モーターカバーに横2本スペーサー用にスリットが入ってる間にちょうどフィン6枚がきっちり入りましたので、上記の要領で、引っかかりを作り縦に2枚入れてみました。 モーター交換をされてる方は簡単で安上がりですので試してみてはいかがでしょうか? ちなみに3台とも、かっちゃん様のベアリング項を参考に駆動系にベアリングを入れてます。 インプレッサは、ノーマルミニッツより速いです! それでは、皆さんがんばって作ってください。 MOMOさんの情報を参考に、私も製作してみました。 byかっちゃん メモリー用ヒートシンクを流用します。 【局面加工】 加工を始める前に、加工面以外の部分をマスキングテープなどで保護しておきます。 センター部分に目印を入れ、モータカンの曲面に大まかに合わせて、ひたすら削ります。 ある程度局面が出来たところで、いらなくなったモータにサンドペーパを巻きつけて面の研ぎ出しをします。 伝熱性を高めるためには、この工程を丁寧に、できるだけ広い面になるように仕上げる必要があります。 【モータカバー加工】 カバーは、ヒートシンクが丁度ぴったり納まるサイズに切り欠きます。緩過ぎず、きつ過ぎず位が、次の位置決め作業を楽にします。 【位置決め】 モータカンにヒートシンクをむやみに押し付けると、ピニオンギアの噛み合いがきつくなる恐れがあります。 (モータケースの位置決め精度があまり良くないためです) ピニオン噛合を維持しつつ、ヒートシンクがモータカンにピッタリ密着して、尚且つ、モータカバーの爪がパチンと自然に入る位置が適正です。 モータケースの奥に、プリスターパックの切れ端などを入れて、モータの奥位置=ギア噛合 を調節します。 位置決めが出来たら、ヒートシンクとモータカバーとを、接着剤で固定します。 ※ 作例は8Tピニオンの場合ですが、10Tの場合も同様に位置決めします。 【モータの処理】 モータカンとヒートシンクとの密着を高め、伝熱性を向上させるため、伝熱性シリコンを塗布します。 モータカンに開いているマグネットの位置決め用の穴は、シリコンの侵入を防ぐために、予め塞いでおきます。 【仕上り】 こんな感じになりました。 PowerDashで数分走行させただけでも、ヒートシンクがかなり熱くなっています。 熱ダレを防ぎ、モータの寿命を延ばす効果が期待できます。。。 ※このヒートシンクが、PlasmaDashでどの程度有効なのか・・・ 大いに楽しみです。(後日、効果確認します)
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【名前】 T2ヒートメモリ 【読み方】 てぃーつーひーとめもり 【登場作品】 劇場版仮面ライダーW A to Z 運命のガイアメモリ仮面ライダーW 【初登場話】 第43話「Oの連鎖/老人探偵」 【分類】 T2ガイアメモリ 【変身者】 羽原レイカ 【綴り】 HEAT 【頭文字デザイン】 H字型に燃え盛る炎(H) 【生体コネクタ位置】 左鎖骨 【詳細】 「熱き」の記憶を内包したT2ガイアメモリの一つ。 財団Xが開発したAtoZ、26本の一つ。 T2ガイアメモリは端子施術を行わずに体内に取り込むことが可能。 NEVER紅一点の羽原レイカに適合し、取り込むことでヒート・ドーパントに変身する。 【余談】 仮面ライダーダブルの変身に使われるガイアメモリの一つ。